Doctors Journal 18号
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6DoctorsJournal最初は医系技官を目指していました。藤田 長尾先生には私どもの生徒が、医師体験で大変お世話になっております。本日は長尾先生が現在取り組まれている在宅医療についてお話を伺わせて頂きます。長尾先生はユニークなプロフィールをお持ちと伺っています。医師を目指された動機や現在に至る経緯もお聞かせください。長尾 珍しいと思われるでしょうが、私は北海道大学医学部を卒業後、初期臨床研修に入る前の一時期、1年足らずではありますが医師国家試験対策予備校で講師として働いていました。理由は卒業後の進路に悩んでいたことと、医師の仕事に従事する前に一度、社会を見てみたいという思いもあったからです。私は元来、中高時代から勉強をすることがとにかく大好きで仕方がありませんでした。人に教えることも大好きで大学時代は家庭教師をしていました。そのような理由から予備校で働こうと思ったわけですが、予備校では医師国家試験の模擬試験なども作っていました。医師を目指した動機は、整形外科の父の姿に憧れたからです。父を始め家族に医師が多かった家庭環境の影響もあったと思います。父は整形外科医として外来診療のほかに、大学で体育の教授もしているという変わった経歴の持ち主でした。私が医師として働く前の一時期、医師国家試験対策予備校で働いたことも、医師とは別の世界を持っていた父の影響も大きかったと思います。実はその経験が医師になってからいろいろな場面でとても活きています。現在、日々の診療のほかに医療事務の学生に対しての教育にも携わっていますが、そこでも塾の講師だった経験が非常に役立っています。それ以上に今となっては、塾講師はとても楽しかった思い出となっていますね。初期臨床研修が終了した後は、東京大学で公衆衛生を学びました。当初は厚生労働省の医系技官として働くつもりでした。しかし、救急外来に勤務していた時に、開業医の先生から紹介されて治療にあたっていた患者さんの症状が、良くなったり悪くなったりと頻回に起こるので、一般の開業医の先生たちがどのような診療を行っているのか知りたいという思いが強くな最後まで患者さんに安心を与えることが、在宅医の最大の務めだと思っています。医師体験で、医学部を志す若者に在宅医療を教える若き在宅医。医療法人誠光会さいたま在宅医療クリニック・院長長尾悠太氏池袋理数セミナー代表取締役・塾長藤田博人氏【対談】

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