ドクタージャーナル15号
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11DoctorsJournal医師よりも家族やケアスタッフが気付いていることが多い レビー小体型認知症の特徴について、医者よりも家族のほうが判っていることが多い。 何故かというと、家族の方は真剣にレビー小体型認知症について勉強しているからです。 私のところに診察に来られるレビー小体型認知症の患者さんは、それまで受けていた診断や治療に疑問を抱いて、自ら診察を受けに来られる方がほとんどです。 そこで、それまでの医師による診断を見ると、診断内容がまったく間違っている。当然治療法も間違っている。そんな状況をたくさん目の当たりにしてきました。 家族同様に、患者さんと接する時間が長いケアスタッフもよく見ています。しかも、介護系の人たちは勉強熱心です。 アルツハイマー型認知症とはどこか違うな。と気づくのです。しかし医師は患者さんの日常をそんなに長い時間見ていません。診察時間も本当に短い。それこそ10分から20分位でしょう。そこに誤診を生む原因の一つがあります。 私は、初診の患者さんの診察には必ず2時間以上かけます。そうすればほとんど間違いなく診断できます。その診断を検証するために画像を撮ります。 ところが多くの医師は、反対にまず画像を見て、それを参考にしながら短い診察で診断を付ける。そこに誤診が生じる。 家族やケアスタッフが気付くように、医師も患者さんをよく診れば誤診は減ります。ですから、認知症が始まる前にしっかりと診断することが重要なのです。 そうして私が診断した患者さんは、認知症が出る前に治療を始めるのです。つまり、認知症が発症する前に早期発見ができるのがレビー小体型認知症なのですから、早期発見が重要だということなのです。医師は、家族やケアスタッフの意見に耳を傾けることが大切です 私が在宅診療を行っている特養とかグループホームで、患者■レビー小体型認知症の最大の問題とは:小阪 憲司氏 医学博士 (認知症専門医)

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